浄水場の管理では水源から給水栓まで、下水処理場の管理では生活排水等の下水から河川放流するまでの処理プロセスの全体を把握し最適な運転管理を行います。さらに、下水処理では、処理プロセスで生じる資源の再利用(消化ガス発電、汚泥の燃料化など)に取り組んでいます。
この様な上下水道施設の環境負荷の低減や、化石燃料以外のエネルギー利用を通して、2015年9月の国連総会で採択されましたSDGsの実現に取り組んでいます。
水道事業向けトータルサービス
下水道事業向けトータルサービス
運転監視
中央監視制御室において、自動制御管理が正常であることを監視しています。また、処理プロセスの運転値が管理値をはずれた場合は、手動運転操作による調整・手分析による原因分析などを行います。
主な監視項目
- 電力使用量、流量、電流値等の運転に関する計測データ
- 濁度、残留塩素濃度などの水質に関する計測データ
- 機器の故障や処理プロセス異常に関するデータ など
操作制御
定常時は、自動制御管理を主体に、監視制御システム・計装盤コントローラー等による操作制御を行います。非定常時では、状況を把握し手動による操作を行います。
主な操作制御項目
- 機器の単独の運転(脱水機、ポンプなど)
- ゲート操作や堰調整等による流量調整
- バルブ操作による圧力調整
- し渣・ケーキ等の場外搬出操作 など
運転計画の策定
処理プロセスを安定的に稼働させるには、運転計画の策定が不可欠です。運転計画には、運転値の蓄積と蓄積データの解析を反映させることが重要です。
施設を適切に運転するため、処理プロセスごとに過去の実績やトレンドなどを解析し、水質確保、省エネを両立した効率的な管理値を設定します。さらに、データの管理や分析について、ICTを活用することで、効率的に作業を行い最適な運転計画を策定します。
点検・保守
異音・振動確認等の五感を駆使した巡回点検で、運転状況が適切であることを確認し各機器の保守(グリスアップ、清掃など)を行います。これらを定常的に行うことで機器の異常を早期に発見し、適切な設備の修理等の対応につなげられます。
簡易な修繕
機器の給油を確実に行うとともに、排出したオイルの変色、異物混入・オイルシールの状態を確認し機器の異常の有無を確認します。実績を考慮して最適な交換時期を提案します。また、受託施設における油脂及び危険物(ガソリン、軽油、灯油等)の在庫管理、あるいは廃油管理についても有資格者によって徹底した管理を行います。
保全計画の策定
施設(設備)が常に正しく機能し、所定の性能を継続して維持できるよう、点検データや調査結果を分析して、独自評価による健全度判定を行い、効率的な保守管理方法を提供しています。「振動診断等の複数の精密診断+日常点検結果」、「巡回情報のリスク+総合評価」などを総合的に管理する国土交通省「下水道事業ストックマネジメント実施に関するガイドライン」、厚生労働省「水道事業におけるアセットマネジメント(資産管理)に関する手引き」を見据えた保全管理を行っています。また、クラウド型の設備機器管理システムを活用して、管理対象施設のアセットマネジメントに寄与しています。
PPP(公民連携)や包括委託においては、災害発生時の被災区域外からの応援体制が重要であり、周辺の受託現場からの応援要請に速やかに対応できるように人的(技術員)、物的(薬品や資機材)の支援体制を確立しています。また、各事業体で定められているBCP(事業継続計画)に従って対応できるよう、現場ごとに緊急時を想定した対応マニュアルを作成し、対応訓練を実施しています。